気づけば、毎日同じことの繰り返し。
家事、育児、仕事。
穏やかで平凡な日々を送っているはずなのに、
ふと「このままでいいのかな」って不安になる瞬間ってありませんか?
なにかをなし得ているわけでもなく、
ただ、日々を消化していくような感覚。
”母”としての時間は生きているのに、
”わたし自身”はどこにもいないようなーー
この記事では、年間100冊以上の本を読むわたしが
- 疲れているとき
- 自分を見失いそうなとき
- 背中を押してほしいとき
何度も読み返している小説をご紹介します。
誰にも話していない過去。
胸の奥にずっと残っている想い。
正しさじゃなく、肯定がほしいとき。
きっと、これを読んでくれているあなたにもあると思います。
過去の自分、いまの自分、そしてこれからの自分に、
そっとエールをくれるような5冊を選びました。
あなたの芯に触れる、読書体験を。

年間100冊読む私が選ぶ【何度も読み返す】小説5選

サウスポイント|よしもとばなな
初恋の少年に送った手紙の一節が、時を超えて私の耳に届いた。〈世界の果て〉で出会ったのは……。ハワイ島を舞台に、奇跡のような恋と魂の輝きを描いた物語。
引用:https://www.chuko.co.jp/bunko/2011/04/205462.html
ふとした瞬間に、思い出すひとがいる。
過ぎた時間のなかに確かに存在していた、自分だけの「特別」。
今更、誰に話すでもないその記憶が、
今もどこかで自分を形づくっている気がするーー
『サウスポイント』は、そんな「大切だった、戻れない何か」に、そっと寄り添ってくれる小説です。
ハワイ島に流れるおだやかな時間のなかで描かれるのは、家族の再生と、小さな希望。
運命って、あるんだと思います。
どんなに離れても、逢うべきひととは、必ずまためぐり逢う。
この本を読んでから、そう信じられるようになりました。
人生はうんとはじめのころに至福のほとんどを知るものなの。
人によって違うけれど、至福の鋳型はそのときに作られる。
そしてその後はほとんどずっとそれを取り戻すための戦いなの。
ーー本文より
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サウスポイント(中公文庫)[電子書籍版]
そういうふうにできている|さくらももこ
この腹の中に、何かがいるのである。大便以外の何かがいる……! テスターによるショーゲキの妊娠発覚、どん底でバカバカしいギャグを考えてた悪阻期、悪魔の封印石のような強情な便との壮絶な戦い、と、期待にたがわぬスッタモンダの十月十日。そして、とうとう生まれたよ。あたしゃ、おかあさんになっちゃったよ。そう、まる子も人間、人間も宇宙の生命体、そういうふうにできている、のです。
引用:https://www.shinchosha.co.jp/book/138821/
妊娠・出産にまつわる本って、なんか説教くさかったり、深刻すぎたりで、どうも苦手…って方、いませんか?
妊娠中に”100点の母”を目指しましょう、と言われる感覚というか。
『そういうふうにできている』は、そんな構えがいらない本。
さくらももこさんが、妊娠から出産までのトツキトオカを軽やかに描きます。
「こうしなきゃ」、「こうあるべき」といった圧は一切なく、
ただゆるやかに、でもやさしく寄り添ってくれます。
子供は子供で私ではなく、別の個性と個体を持ち、違う人生を歩んでゆくのだという距離は相変わらず気持ちの中にあるし、この気持ちは大切にしないとと思っている。
ーー本文より
この感覚は、わたしが育児をしていくうえでも大切な指針になっています。
予定日はジミー・ペイジ|角田光代
流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。著者描き下ろしイラスト多数収録。
引用:https://www.shinchosha.co.jp/book/105827/
続いても、妊娠・出産にまつわる一冊をご紹介します。
妊娠がわかったら、無条件に喜べるのが”普通の女性”?
- 本当に母親になるの?
- わたし、ちゃんとやれるのかな
- 心の準備ができてない…
って、戸惑いや不安が先にくるひとだっている。
赤ちゃんを授かること=祝福、とされがちな世の中で、
「本当は、すぐに受け入れられなかった」
そんな本音をそのまま描いてくれる小説は、なかなかありません。
恋人との微妙な距離感、妊娠をきっかけに変化していく気持ち、生活の小さな綻び…
日常のなかで起こるささやかなズレを、角田さんは見逃さない。
日記形式で語られる本書。
「わたしのことだ」って、胸が詰まる瞬間が何度もありました。
家族に貸し、友人に貸し、自身でも何度も読み返しています。
この先ずっと、手元に置いておきたい宝物のような一冊。
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予定日はジミー・ペイジ(新潮文庫)[電子書籍版]
淳子のてっぺん|唯川恵
山が好きで、会社勤めをしながら国内の様々な山に登っていた淳子。「エベレスト?女なんかに登れるもんか」その言葉に奮起し、彼女は女性だけの隊で世界最高峰を目指す。苦しい資金繰り、寝る暇もない膨大な準備、隊員同士の軋轢を乗り越え、8848メートルの頂きに立った淳子の胸に去来したのは…。登山家・田部井淳子さんの挑戦を完全小説化。
引用:https://www.bokenbooks.com/items/75621479?srsltid=AfmBOooQ2i2xmTasDNUmiA2T9-6K6pY-fp6cj4bpWugqZAHbYkPQhPq9
唯川恵? 恋愛小説作家でしょ?
そう思う方にこそ読んでほしい一冊。
かつて登山に熱中していた専業主婦の「淳子」が、再び”山”を目指す物語。
年齢、立場、家庭…色んな「言い訳」を超えて、もう一度、自分の足でてっぺんを目指す。
女性たちのリアルな嫉妬やプライド、母としての葛藤、そして
「何者かでありたい」という願い。
ヒリヒリするけど、共感できて、苦しくて、でもどこか清々しい。
山を登ることは、自分と向き合うこと。
自分のなかの「まだ終わりたくない自分」、「一歩踏み出したい気持ち」に、
火を灯してくれるような一冊です。
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淳子のてっぺん(幻冬舎文庫)[電子書籍版]
神様のボート|江國香織
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。
引用:https://www.shinchosha.co.jp/book/133919/
静かで、丁寧で、美しい。
けれどこの物語には、確実に”狂気”がある。
どんなに時間が経っても、
どこで暮らしていても、
人生の全てを懸けて、たったひとりの「あのひと」を待ち続ける女性の物語です。
そう言ったときのあのひとの目をみたら、誰にだってわかると思う。
信じなくちゃいけないということが。
たとえそれが叶えられない約束でも、私は生涯あのひとを疑ったりしないだろう。
ーー本文より
はたから見たら明らかに異常で、母親としても人としても、理解されないような生き方。
それでもページをめくる手が止まらなかったのは、
この狂気を、どこか「羨ましい」と思ってしまったからなのかもしれません。
過ぎたことは絶対変わらないもの。
いつもそこにあるのよ。
過ぎたことだけが、確実に私たちのものなんだと思うわ。
ーー本文より
最後の場面、あれは希望か、絶望か。
読むひとによって、解釈の変わるラストページをお楽しみに。

『神様のボート』は、筆者が一番好きな本です。誰かと語り合いたい…!
まとめ|ページを閉じたあとに、残るもの

毎日がただ過ぎていくような感覚や、
タスクをこなすだけで、内面に触れられていないと感じたとき。
そんなときに、わたしはお気に入りの本を手に取ります。
今日ご紹介した5冊は「何にでもなれる」って、そっと力が湧いてくるような、
自分の輪郭が戻ってくるような本です。
気になる一冊があれば、リンクからぜひ覗いてみてください。
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